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山尾 訓一(高16回)
先生のあだ名とその思い出 高16回の青春
ラッパ:石井勇蔵教頭 大きい口で吠える「映画七人の侍」の古武士のような。
お化け:黒野嘉六教頭 美術の先生、旧制の先輩ではチャプリンとも。チョークで黒板いっぱいに辻斬りの絵。卒業後先生の個展「逗子八景」を見て本物の美術の先生だと改めて認識。
いたち:細野潔先生 書道を習った。古参の狸のような風格。
ヤギ:森武雄先生 生徒に正面向いたまま黒板にスラスラと英文を書く伝説の先生。
ざい:山田眞司先生 在さん。横須賀のど田舎から逗子開成に通ったから付けられたあだ名と。異説はあるのか、約50年逗子開成の体育の先生。赤ら顔で怖いけど生徒に人気。逗子開成の主みたいな先生。
長兵衛:村瀬英二先生 隣の教室での授業、朗々と響く源氏物語、思わず耳をそばだててしまう名調子、名解釈。古典も一刀両断。卒業後、市谷薬王寺の自宅に何度も足を運んだ。女性史の大家とか。
ポンちゅう:秋山春伍先生 水泳大会では赤フン、運動会では赤パン。ナマリ丸出しの可笑しな先生。
ゲタ:近藤敬一先生 角ばった顔の優しい先生。放課後数人でオレンジの英作文の技法テキストを。翌朝先生から戻る朱筆の添削、朱色だらけの思い出。卒業後も擦り切れた絨毯のなぎさホテルで逗子の海を眺めながら美味しい珈琲を度々馳走に。ある日、ある騒がしい教室の授業の始まり、先生は45回転のレコード(ラベルのボレロ)を、シーンと静まり静かに。
カラス:尾上剛司先生 黒のダブルのスーツがよく似合うカッコいい先生。残念、教えを受けなかった。
らびっと:松本晴和先生 繊細な進歩的文化人のよう。澄田先生といつも一緒。
ムッシュ:堀川喜一郎先生 気障なフランス語でやたら話しかける世界史の先生。
かっぱ:池上武士先生 地歴部顧問。カッパとはいかにも。
消防車:柴崎一郎先生 ウーウーとサイレンよろしく教室に駆け込みレットミーアンサーで暗誦。中学英語の先生。
ノミ:植村信先生 背中を丸め、若い時に患った胸を押さえ片手で吶々と鼻にかかった声での経済学の名講義、誰がつけたのか申し訳なく思うあだ名の1つ。
フグ:鈴木好行先生 生物部で捕まえてきた大きなフグを教壇に。よく似ていて先生も苦笑、生徒は爆笑。
剣道のお爺ちゃん:鈴木清先生 小柄でも矍鑠、生徒に説教「開成三郎はそんなことせんぞう」が耳に残っている。
ブラバン:中村政雄先生 ダブルがよく似合う、銀髪のカッコいい先生。オーラが出てて近寄りがたく。
年中着物:北沢貞浩先生 分厚い英英辞典を抱えてヤギ髭なでながら英文法の講義、漱石の時代のよう。文官少将だったとも。お兄さんはフランスの詩人ポーの紹介者だったと。
ハンマーの鉄:佐々木稔先生 数学の先生、鉄拳が飛ぶと…僕は見たことが無い。
万ちゃん:石渡万太郎先生 大八車を開成ジープと称し鎌を沢山くくりつけ、金沢八景の神社に集合。意気揚々の万ちゃん先頭に葉山の山に芝刈りに。荒井校長の所有の山とも。この芝刈り行軍は僕の時代で終わりか。
貫ちゃん:野中貫慶先生 一張羅の汚れたトレパン。陽気な先生、僧侶兼任が多かった。
糺さん:近藤糺先生 朝礼台からよく通る大声で号令
カエル:中島暁先生 大学出て即、逗子開成の先生に。新米の教師でも楽しかった。
恐ろしかった水泳部顧問 磯部顕雄先生。カンポこと外山貫穂先生も。チョークが飛ぶ、だけど優しいカンポさん。
あだ名無くとも雰囲気のある先生。いろいろな先生が。澄田秀夫先生、とても先鋭的だった。ヘビースモーカー橋本誠二先生。習わなかったが、古谷パウル先生。得さんこと石渡得一先生。きゅうさんこと鈴木久先生。物理の座間厚先生。まだまだいらっしゃるけどこの辺で。
追記として、余談ですが、中1の時、村風子然とした金井啓一郎先生から「僕の開成同期に徳間と言ういい男がいた。いずれ世に出る。覚えておいて」と。その言葉が忘れられない。
会報「開物成務」第63号(2020年7月発行)に掲載しました。
逗子開成の歌
①校歌「天地分くる」②応援歌「春鎌倉」③応援歌「黒潮」④応援歌「函嶺の空」⑤哀悼歌「真白き富士の根」⑥校歌(戦中)「鵬翼おどる」⑦「開成数え唄」⑧「開成音頭」⑨映画主題歌「泣くな若人」⑩「浪子さん」⑪「神風特別攻撃隊」
これらの唄を貴方はいくつ知っていますか(歌えますか)。これ以外に開成の唄はありますか。
逗子開成名物、運動会の応援練習で連日砂地の逗子の浜辺に。先輩に声が小さいと大声で叱咤され何度も何度も声枯れるまで歌わされた応援歌。
身に沁みつき、サラリーマン生活に入っての営業部の宴会。カラオケなんてまだない時代。蛮声張り上げ唄った「春鎌倉」。
時の上司に、オンチだが元気が良くていいぞと誉められた思い出。それが僕の十八番となり、以来、自称、通称、開成バカとよばれるようになった次第。
会報「開物成務」第62号(2020年1月発行)に掲載しました。
逗子開成賛歌
美しい自然逗子湾の白砂青松、高さ20mに及ぶ松並木今では徳間さんの桜も逗子の名所に
披露山に抱かれ校内に流れる田越川
正門からのエントランス、部活のヨットの帰帆数十艘、潮風に乗って逗子湾に入ってくる光景
帆を夕日にオレンジ色に染めて懐かしのなぎさホテルで美味しい珈琲をゲタさんにゴチにな
りながら
学校の通学路京急逗子駅と省線逗子駅、京急組と省線組とも秋山邸、菊池邸の静かなたたずまいと賑やかな商店街
人脈、多彩な人物岡田 時彦(岡田まり子の父、世紀の二枚目トーキー映画の花形)平野 威馬雄(平野レミの父、フランス文学者、お化け博士、暴れん坊で名を馳せた)橋本 竜伍(橋本元総理の父)徳山 環(芸大出唯一の歌謡歌手、サムライニッポン、隣組)同期16回の飯島忠義君は残念、篠原豪君に期待
学者からヤクザまで、クラシックからジャズまで谷啓さん他
神風特別攻撃隊、歌にも歌われる攻隊長、団野さん、山田さん
徳間 康快さんは勲2等、服部 敏幸さんは勲1等
衣川先生を慕う集い「衣川会」
日本一の校歌 高校野球で勝って歌いたい歌ナンバーワン
真白き富士の根から開成数え歌まで10指に余る・・・まだまだあるか?伝統校の証
近藤先生(ゲタさん)の言葉「出来が悪くとも・・・」
あとがき
先生のあだ名とその思い出は開物成務51号にあります。
※先生や先輩の聞き書きそのままに。
会報「開物成務」第62号(2020年1月発行)に掲載しました。