活躍する校友紹介
鈴木 俊彦さん(高72回・名古屋大学AirCraft)
人力飛行機を制作し鳥人間コンテストに出場
同窓の皆様、初めまして。令和2年に名古屋大学に進学しました高72回生の鈴木俊彦と申します。中高生の頃はなにかと目立ちたがりで、スピーチコンテストやら劇の主役やら多くの表現の機会をいただき、あの頃ならではの学びを得ることができたことを感謝しています。また昔から工作が好きだったこともあり、物理科学部には長いことお世話になりました。現在は工学部3年生として具体的な進路や研究分野を模索しながら勉学に勤しんでいるところです。
さて、今回は大学で私が所属していましたサークル「名古屋大学AirCraft」を例に、人力飛行機と鳥人間コンテストの世界をご紹介できたらと思います。
まず「人間が生物として飛行に向かなすぎる」という根本的な問題に尽きます。今年の機体を例に挙げますと、全体重量の半分以上がパイロットの体重で、全長29mもの翼に対して飛行時には218W(身長170cmの人が約21kgの力を加え続けながら毎秒1回転のペースでペダルを回すパワー)も必要です。つまり、いかに「軽く」て「力が要らず」に「速く飛ぶ」機体を作れるかが要となります。さらにGPSや風速から最短経路をとり、より楽に飛ぶかも重要です。私は電気制御の責任者でしたが、通信安定性と軽量化の両立が至難の業です。
次に制作過程ですが、9~12月でカーボンを焼いて骨組みを作り、1~3月で翼やプロペラなどの中身をすべて作り、4~7月末の大会までは週末の早朝に静岡や岐阜の飛行場を借りて飛ばしては調整を繰り返すといった具合です。また費用も数百万円ほどかかるため、バイトをして資金を稼いでいます。
鳥人間コンテストは2023年で45回目を迎える読売テレビの長寿番組ということもあり、書類選考には毎年3倍近くの競争率があるためAirCraftが出場できるとは断言できませんが、どのチームも魅力が溢れていますので次回の放送をご覧いただけたら幸いです。
(2022/12/4UP)