2023年
逗子開成学園校友会 会長 後藤 寿一(高19回) 年頭のご挨拶
先行きの見えない中でも前進を!
明けましておめでとうございます。校友の皆様におかれましては新たな気持ちを持って、新年を迎えられたことと思います。
昨年は年明け早々ロシアによるウクライナへの武力侵攻、急激な円安、 未だに続くコロナ禍と国内のみならず世界全体が混乱の渦の中にいるような状況です。 そのような中ではありますが、母校は今年創立120周年を迎えます。 校友会といたしましても120周年記念事業の一環として、次の3点を行います。
①本年2月11日(土)、創立120周年兼吹奏楽部創部95周年記念コンサー トにおいては学校が主催、 校友会は共催という形で実施。
②八方尾根開成ケルン修復工事が年度内に完成するよう契約に至るまでを手配する。
③記念グッズとして、生徒のアイデアによるビーチサンダルを「げんべい」とのコラボで作成する。
校友会もコロナ禍の中、昨年8月を除き幹事会を行ってきました。 IT委員会による名簿管理の充実、又、新会員の加入によって少しずつではありますが、新たなネットワークづくりも進めています。学生時代だけでなく、社会に出てから特に感じる同窓の絆のありがたさというものを広めていきたいと思っております。
母校の2022年度の大学入試では東大9名、北海道大学19名など国公立大学116名、早・慶 ・上智140名他、東京理科、MARCHなど有力私大への合格者を多数出しており、県内有数の進学校としての地位を維持しています。今年も先生方のご努力に感謝申し上げ、一人でも多くの受験生が良い結果を得られますことを心より願っております。
校友会もPTAの皆様と連携し、母校発展のため、 努力する所存です。厳しい環境下ではありますが、会員の皆様のご理解とご支援をお願い申し上げますと共に、皆様方のご多幸とご健勝を祈念致しまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。
創立者 田邊 新之助先生の墓参
令和5年2月18日。墓参には後藤校友会会長、鎌倉会から志村、小磯、宮崎、櫛引の四会員で墓碑清掃と線香を供えました。
4月18日に行われた母校創立120周年式典ででは、生徒が主体となった「120周年プロジェクトチーム」で作成された神奈川県下で最も歴史のある母校の開学の祖であり、また鎌倉女学院の開学の祖でもあることが披歴されました。
現在も開学の精神を受け継ぎ、輝かしい歴史を連綿とつないで行けることに感謝しつつ、鎌倉会としてはこれからも墓参を続けることを、改めて感じております。
新型コロナは5月18日をもって規制が解除されましたので、来年からはコロナ禍以前に墓参して頂いた皆様に再度お声かけをしてゆきます。
鎌倉会会長 櫛引信明
高校卒業生、中学入学生に記念品を贈呈
校友会は、毎年3月に卒業する生徒と4月新入学の中学1年生に記念品を贈呈しています。高校生には校章を刻印したボールペン、中学1年生には校歌や応援歌を収録したCDです。
ボールペンは、校友の高野将司さん(高46回)が常務取締役を務める横須賀市の株式会社アートテックに今年初めて声がけして納品して頂きました。
同社は、各種記念品の名入れ加工をしているので、記念品を何にしようか迷った時は、ぜひ問い合わせしてみて下さい。
〈学校創立120周年記念事業〉
逗子開成中学校・高等学校吹奏楽部 創部95周年 記念コンサート
2023年2月11日(土・祝日/建国記念日)、鎌倉芸術館大ホールに約1,200名の来場者を迎え、盛大に開催しました。
晴天の下、吹奏楽部創部95周年記念コンサートが鎌倉芸術館にて開催されました。この演奏会は学校創立120周年記念事業の一環として開催され、現役吹奏楽部員とOBの合同演奏会としては5年ぶりとなります。
演奏会のテーマは「響縁」。これは現役部員が考えたもので、現役とOBの縁、つながりを大切にし、共演で素晴らしい演奏を響かせるという願いが込められています。
開演前にはOB会が制作した記念映像が上映され、吹奏楽部の95年の歴史を振り返りました。第1部の現役部員によるステージは「ようこそジャパリパークへ」の演奏で華やかに幕を開け、続く「ウィーアー!」で会場は一気に盛り上がりました。木管五重奏による「ファンシーより」は、昨年の神奈川県アンサンブルコンテストで銀賞を受賞した演目。この演奏会でもとても美しい音色が披露されました。「いきものがかりコレクション」では、神奈川出身で幅広い年代から支持されているいきものがかりの名曲をメドレーで演奏し、聴衆を楽しませました。
第2部は現役部員とOBの合同ステージ。総勢100名を超える大編成となり、「行進曲『逗子開成』(通称:開成マーチ)」の軽快な演奏でスタート。続く「開成讃歌『海』」では真白き富士の根をモチーフにした壮大な音楽が響き渡りました。そして、創部95周年を記念して本校吹奏楽部OBの矢部政男氏によって作曲された「栄光のペンと剣」を初演。締めくくりは、日本の伝統曲をアレンジした小長谷宗一氏作曲の「Japanese Tune」で、さくらさくらの美しいメロディーから、和太鼓の力強い音色が響き渡る八木節へと続き、演奏会はクライマックスを迎えました。矢部氏、小長谷氏の両名は客席に来場しており、曲の演奏後には指揮者の千葉大樹先生(本校吹奏楽部顧問)から紹介を受け、会場から大きな拍手が送られました。
第2部に演奏された4曲はいずれも本校のために作曲されたオリジナル作品で、創立120周年を祝うにふさわしいプログラムとなりました。約1500席の客席はほぼ満席となり、鳴り止まない拍手の中、感謝を込めてアンコールの「名誉の砲兵隊」が演奏され、華やかな音色と大きな拍手に包まれて演奏会は幕を閉じました。
在校生はコロナ禍で部活動にも制限が多かった世代です。そんな現役部員の皆さんの演奏会終了直後の表情は充実感に満ちており、現役生の若さとOBの熟練の技術が「響縁」し、音楽の持つ力が存分に発揮されたと感じました。
演奏会の開催にあたっては、校友会から多大なご支援を賜りました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。吹奏楽部は5年後の創部100周年、さらにその先へ向かってこれからも発展してまいります。
吹奏楽部OB会副事務局長 蝦名友和(高59回)
逗子開成創立120周年特集を神奈川新聞に掲載しました
2023年4月18日(火)の、逗子開成創立120周年記念日当日、神奈川新聞に1ページの広告を掲載しました。
これには校友会も協賛、クラブ活動OB会やPTAにも呼びかけ、120周年を飾る紙面となりました。
広がる海、まだ見ぬ景色へ
逗子開成創立120周年に約1800人が集い記念式典
式典を迎えるにあたり、生徒たちが「120周年プロジェクトチーム」を結成。式典で発表・配布された記念誌、記念グッズ、式典ビデオの作成チームや地元の海などを対象に研究する「気候変動対策」や「記念グッズ」のプロジェクトのほか、式典の司会も高校生徒会副会長の高校1年、北島理仁さんが務めた。 式典は、吹奏楽部の演奏により、全員で校歌の斉唱から始まった。
学校長式辞(下段に掲載)
理事長式辞(下段に掲載)
次に、昨年度から立ち上げ、準備してきた生徒プロジェクトチームの紹介。式典で配布された記念誌は「記念誌作成チーム」の生徒たちが取材、執筆、デザイン、編集にあたって作られたことが紹介された。 「気候変動対策チーム」はプレゼンテーションで、未来への提案を。日本、世界での気候変動による被害の実態を伝え、自分たちが出来ることから始め、小さな取り組みでも学校全体、あるいは地域と協力して取り組めば世界は変えられる。逗子の浜辺を学舎としてきた逗子開成は、気候変動への未来に向けてはじめの一歩を踏み出すため、学校へ「資源の無駄を減らそう」として、紙、電気、ガスの使用量の削減を。また、校舎を環境配慮型の設計にと提案。生徒には個人や部活での海岸清掃、さまざまな団体のビーチクリーンの活動へ参加して海岸をきれいに保つことでゴミ捨てを防ぎ環境問題への関心を高めていこうと。また、豊かな海を取り戻すために取り組んでいる地域の活動に自分たちも協力し、逗子開成独自の取り組みでも逗子の海に豊さを取り戻して、10年後、20年後の逗子開成は地域と協力して海を豊かに育んでいる学校、地球規模の課題にみんなで取り組んでいる学校だったら自分たちも誇らしく思えるのではと締め括った。 「記念グッズ」チームは、未来に続く記念品「120周年記念グッズ」をふたつ開発した。まずは120周年記念ロゴが印刷されたオリジナルタンブラーで、机のフックにもかけられるデザインのものを全校生徒、式典参加者に配布された。 タンブラーにかけた思いは、逗子開成の海洋教育の中でプラスチックごみによる海洋汚染やプラスチックの焼却により出る温室効果ガスが気候変動の大きな要因になっていることを学び、120周年を機に未来のために何か貢献したい、生徒がタンブラーを使えばプラスチックゴミを減らしていくことができると考えた。 タンブラーがあっても浄水器がなければペットボトルは減らないのではないかという意見から、すでに浄水器を設置しペットボトル削減に取り組んでいる、ある学校の生徒から意見を聞いたり、ウォーターサーバーを探しにショールームに見学にも行き、学校にウォーターサーバーの設置を提案することにした。 当初は創立記念日のタイミングでの設置を考えていたが、コロナ禍で使っていなかった冷水機を入れ替えるために先取りして設置してもらうことができ、現在では校内に15台のウォーターサーバーがあり、生徒の4人にひとりが日常的に利用している。逗子開成の取り組みが少しでも地域社会に影響を与え「まだ見ぬ景色へ」のきっかけを作っていきたいと提案した。
ゴンズイ君LINEスタンプ販売決定
次に、場内にどよめきが起こったのは「逗開120周年記念!ゴンズイ君スタンプ」のLINE公式スタンプ販売決定の発表。 合計16個で構成され、販売により得られる分配金は全額をUNICEF(ユニセフ)に寄付し、世界の子どもたちのために役立てる。自分たちの手で世界の子供たちを助けられたらとの思いがこもっている。
ダウンロードはこちらから https://store.line.me/stickershop/product/22119635/ja
動画で歴史をたどり、在校生インタビュー・海外からお祝いのメッセージも 創立120周年記念動画は「式典ビデオ作成チーム」の生徒たちによる取材、編集によって作られた。内容は、逗子開成の歴史が創立から現在まで文字で表示され、七里ガ浜ボート遭難事故と八方尾根遭難事故の部分では女声コーラスによる「真白き富士の根」の歌声の中、事故の経緯が文字で表示された。 その後、応援歌「函嶺の空」の歌声で、徳間理事長の逗子開成での取り組みを紹介。 続いて海外からお祝いのメッセージが送られてきた。イギリスのトーマスハーディースクールから二人の生徒が日本語でお祝いのメッセージを寄せてくれた。ニュージーランドのランギトトカレッジからは日本語、スペイン語、中国語、フランス語を学ぶ学生たちからも日本語で。大韓民国の金浦外国語高等学校からはキム・ジンソン校長先生から「毎年たくさんの優秀な人材を送り出していることに大きな拍手をお送りします」と祝福のメッセージ。学生たちからも「おめでとうございます、コロナ禍が終息しお会い出来るのを楽しみにしています」と。 活躍する在校生インタビュー、はじめは元メディア委員長から。メディア委員会として5年間、開成祭・体育祭の行事運営とYOU TUBEでの広報活動やパンフレット作成での広報活動を行ってきた。高校1年からは学年行事の撮影を行い、撮影した素材を動画にして学年のみんなに見せて思い出を共有するという活動を行ってきた。一番思い出に残っているのは、中学3年生の時に中止になった体育祭の代わりに行われた球技大会、高1のニュージーランド研修の代わりに行われた京都旅行。どちらかといえば京都旅行で、コロナ禍でいろいろな行事がつぶれてしまった中で久しぶりに出来た大きい行事で、メディア委員として生徒を撮影したり、その動画をまとめて学年のみんなに流して喜んでもらえたりと、それがあったので良い思い出になっている。10年後の逗子開成に望むことは「思いっきり好きなことが出来るところなので、生徒たちがさまざまなことに興味を持って、思ったことをすぐに行動に移せる人がいっぱいいてほしい」と話してくれた。 吹奏楽部部長は、現在の総部員数は54人で、以前に比べ人数が増えたので迫力のある合奏ができて嬉しい。コンクールは30人規模で臨む大会で、県南の地区大会では銀賞、県大会には進出できなかった。アンサンブルコンテストでは木管五重奏という少人数で挑み、県大会に進出した。10年後、生徒一人ひとりが学校生活を楽しんでいるような学校であってくれれば良いかなと思う。吹奏楽部もたくさんの人数でワイワイ活動してほしいと展望を語った。 柔道部部長は、中1から柔道部に入り高3まで続けてきた。海洋の研究ではヒトデを使ってチョークを作ったり、海の海流についての勉強もした。一番印象に残っているのは、部活で夏休みに行なった合宿で、先輩や後輩と一緒にいて楽しかったこと。10年後は、OPヨットやヨット部、和太鼓部など逗子開成でしか体験できないことが残っていてほしいと思う。
兄妹校からお祝いメッセージ
鎌倉女学院生徒会からは「兄妹校としてより仲が深めていかれたらと思う」とあいさつ。ユイちゃん、チヒロちゃんというキャラクターの紹介に続き、難問クイズの出題動画に会場が沸いた。
動画の最後には120周年プロジェクトチームの紹介があり、集合写真とともに生徒の名前が映し出された。
生徒代表あいさつ
生徒代表あいさつは高校生徒会長、高校2年の宮山祥さん。 「逗子開成で一番良いところは多種多様な経験ができること。遠泳やヨット実習など海を通してさまざまな経験をすることができる。そんな経験をしたからこそ、先輩方がそうであったように、この先どんな困難にぶつかろうと1.5キロを泳ぎ切ったことを胸に、この先も困難を乗り越える人間でいられるでしょう。逗子開成の良さは、生徒のやりたいことを止めない校風です。生徒の興味がある分野で活動の幅を広げる機会をたくさん設けてくれ、また、チャレンジをしたければすぐに手を伸ばせる活動や団体が多く揃っている。この校風は代々受け継がれた逗子開成らしさの根幹だと感じる。先生方のサポートは、特別な時のみならず、日々の生活の中でも常にそばにあります。誰も取り残さない教育がある。逗子開成は本当に過ごしやすく、さまざまな世界を見ることができる最高の学び場である。これからもそうあり続けてほしいと切に願っています。 さて次に未来についてお話しします。私は、逗子開成は生徒自治が発展することでより良い学校になると考えています。生徒自治は今まさに生徒一人ひとりが取り組んでいる生徒会活動の芯の部分です。生徒主体の自主自立の活動を行うことこそが、生徒の本文であり、生徒自治が発展することが学校の理想型ではないか。 120年の歴史を強く感じ、先輩たちが築き上げてきた逗子開成の歴史を引き継ぎ、新たな時代に正面から向き合い、今日からまた新しい歴史の1ページを切り開いていきます。」 校友がプロジェクションマッピングを 制作、上映
最後に、吹奏楽部が開成讃歌「海」(團伊玖磨作曲)を120周年記念として演奏した。 演奏中に投影されたプロジェクションマッピングは写真部員が撮影した写真を用い、卒業生であり映像デザインが専門の宝塚大学東京メディア芸術学部教授の渡邉哲意さん(高44回)が制作、上映した。
広がる海、まだ見ぬ景色へ
逗子開成創立120周年記念式典での理事長式辞
逗子開成学園 志村 政俊 理事長
一斉に花開き、草木が芽吹き始めた春の陽光の下で、こうして創立120周年の記念式典を行うことが出来ますのも、逗子開成に関わっていただいている皆様のご支援の賜物と、心から感謝申し上げます。
また、ご来賓の皆様には、新年度早々で何かとご多用のところお運びいただき、誠にありがとうございます。
さて、本校は、この逗子の地に学び舎を構え、120年の時を刻んできました。学校創設趣意書で、教育が最も重要である中学の時期においては、「心身の健全な発達を図るには、清浄な空気と爽塏(そうがい)なる土地とによるべし」として、自然豊かな逗子の地を選んだことに触れています。爽塏なる土地とは、からっとして爽やかな土地ということでしょう。
以来、長きに亘り約3万2千名の有為な人材を世に送り出してきました。教育に情熱を注いできた幾多の教職員、及びそれに応えるべく研鑽を積み、社会の発展に貢献した、また現に活躍している多くの卒業生に想いをいたす時、改めて紡いで来た歴史の重みを感じます。
120年という歴史の積み重ねは、その長さが故に尊いのではなく、理想とする教育を実現するために、常に新しいものを追い求め、たゆまぬ変革への努力を続けて来たことにこそ、価値があるのだと思います。
1980年代の半ばに、「会社の寿命は30年」ということが盛んに言われました。現状維持は退歩であり、何も変革しなければ、ビジネスモデルが陳腐化し、稼ぐ力が衰えて、会社は30年程度で消滅するという主旨でした。社会が多様化・複雑化し、加えてテクノロジーの進化により、急激に変化する昨今では、その期間は、間違いなくもっと短くなっています。
学校は、営利法人ではありませんが、質の高い教育の維持・向上のために、またその時々の時代の要請に適応するために、変革を続けていかなければ、魅力を失い、いずれ存続が難しくなる、という点では、同じことが言えます。
本校の歴代の経営者や学校長をはじめ教職員は、学校の発展、あるいは生徒の成長に資するものであれば、新しいものを躊躇なく取り入れ、教育内容の改革に取り組んできました。中でも本校の変革・改革を語る時、徳間康快先生の業績を挙げなければなりません。私は残念ながら謦咳(けいがい)に接することはありませんでしたが、先生は本校の卒業生で、徳間書店、スタジオジブリなどの経営にあたられながら、昭和59年(1984年)2月から、平成12年(2000年)9月まで16年半余り、その間4年ほどの校長兼務を含め、理事長を務められました。
就任されると、昭和55年(1980年)に起きた北アルプス八方尾根での山岳部の遭難による混乱を収拾するだけでなく、直ちに教育内容の改革に着手されました。進学校化、映像による情操教育、目の前に広がる海を活用した海洋教育の3つの教育目標を掲げ、具体的に教育内容に反映していきます。同時に学校施設・設備の拡充など教育環境の整備にも力を注ぐとともに、中止していた中学校の募集再開による中高一貫教育の復活、国際交流など、驚くほどのスピードで改革を断行されました。
先生が示された教育目標は、その後本校の教育プログラムの基礎となり、更に肉付けされ、内容も充実して現在に引き継がれています。120年の歴史の中でも、本校が最も大きく変革した時期であり、全く新しい学校に生まれ変わったと言っても過言ではない程の抜本的な改革でした。
理事長在任中に病を得られ他界された徳間先生は、常々「逗子開成を日本一の学校にするんだ」と口にされていたと聞いています。先生の崇高な志は、未だ途(みち)半ばですが、その想いをしっかり受け止め、これからも逗子開成ならではの、特色のある教育の実現に向けて挑戦を続けてまいります。
結びに、記念式典に列席している在校生の皆さんに期待することを申し上げます。
今日皆さんは、創立120周年という歴史的な日に立ち会っています。そこで皆さんには、先輩達が積み上げて来た歴史と伝統を、敬意を持って振り返ると同時に、これからの新たな歴史を造り、担っていくのは自分達だという決意を新たにして欲しいと思います。
長い歴史の根底には、常に建学の精神である「開物成務」がありました。「物事の理(ことわり)を開き示し、天下の務めを達成する」、先輩達がそうであった様に、皆さん一人一人が、高い志を持って社会の発展に貢献することを目指して行動する時、逗子開成の歴史は、一層輝きを増すことになると思います。
それでは、今日の記念日を共に祝い、そして120周年の標語「広がる海、まだ見ぬ景色へ」を合言葉に、新たな歴史の大海原へ、さあ!力強く漕ぎ出しましょう。
皆さんに、希望に満ちた未来を託して、式辞とします。
逗子開成創立120周年記念式典での学校長式辞
逗子開成中学校・高等学校 小和田亜土 校長
うららかに春風も心地よい頃、本日、こうして逗子開成創立120周年の記念式典をおこなうことができました。これもひとえに日頃より本校に関わっていただいている皆様のご支援のおかげです。心より感謝申し上げます。
また、桐ケ谷逗子市長様、神奈川県私立中学高等学校協会の工藤理事長様をはじめ、ご来賓の皆様には、ご多用のところ足をお運びいただきまして、誠にありがとうございます。
世界がコロナ禍から脱しつつあるなか、本校は創立120周年を迎えました。世界中の人々がコロナウィルスと対峙し、各々の文化的慣習や日常の生活習慣の見直しを余儀なくされるなか、あるべき社会の姿があらためて問われています。わが国の学校教育のあり方も従来のかたちを見直し、ICT教育など新たな教育活動が展開されています。
変化を強いられ先の読みにくい時代において学校で育むべきかけがえのないものは何か。本校は、この問いに対して、本校では、コロナ禍がもたらした急激な社会変化をふまえながらも、この120年にわたる教育活動の積み重ねのなかから、その育むべき大切なものを再認識し新たな歩みを進めていく所存です。
逗子開成は、私立東京開成中学校の分校として1903(明治36)年4月18日に誕生しました。当初は「各種学校私立第二開成学校」とよばれ、創立者は当時東京開成中学校の校長を務められていた田邊新之助先生でした。開校当初は逗子池子の東昌寺の境内に居を構えましたが、その年の秋には、逗子海岸の中央にあたるこの逗子新宿の地に移転しました。そして、1909年には東京開成中学校から分離独立して、私立逗子開成中学校となりました。
逗子開成は、今日までの間に、いくたびか難しい局面を経験してきました。例えば、関東大震災において本校校舎が全壊しました。太平洋戦争の前後において教育活動は軍事的な影響を受けた一方で戦後民主化政策のもとでその内容が大幅に変更されました。また、本校生徒や教員が命を落とした痛ましい七里ガ浜ボート遭難事故や山岳部の八方尾根遭難事故の発生は、あるべき安心・安全な教育活動の教訓として今日まで語り継がれています。
各々の困難は、当時の教職員や生徒、本校関係者の方々のお力により乗り越えられてきましたが、その都度、その時代性や社会の動向を見据えた新たな教育活動が掲げられてきたことは、特筆すべきことだと思います。そしてそのすべてに、本校の建学の精神である「開物成務」の意思が通底していることは言うまでもありません。
今日の逗子開成における教育活動の指針は、1985年にその大枠が示されました。1984年に理事長に就任された徳間康快先生は、中学の募集を再開するにあたり、カリキュラムを見直し、ヨット実習や遠泳実習を含む海洋教育、映像教育、ICT教育、海外研修などを打ち出し、大幅な学校改革を進めました。現在、これらの教育活動はさらにステップアップし発展させたかたちで行なわれています。ぞの結果、今や学力はもとより生徒の主体性や協同性も大いに伸長しつつあると私は感じております。
主体性や協同性という観点からみれば、創立120周年を迎えるにあたり、生徒が様々なプロジェクトを立ち上げて取り組み、式典では多彩なプレゼンテーションを披露してくれることになりました。120周年のスローガンやロゴマークも生徒によって作成されましたし、本日の記念式典における司会を務めているのは高校1年生の北島くんです。式典での生徒による司会者の登用は稀なことではないでしょうか。
これから世界はますます変化の激しい、予測の立ちにくい時代に入っていくでしょう。その際、主体性や協同性は生き抜くうえで欠かせない価値をいっそう帯びていくに違いありません。今の生徒を見ていると、彼らはやがてそれぞれに社会で活躍していくだろうと期待するばかりです。
時間というものは人間が生み出した概念ですが、人の成長や教育という視点からみたとき、その時間とは、単なる物理的な時間というよりも、過去と現在と未来が混在した「今」という時間、いわば「生きられた時間」と捉えることで、より深い意味合いを帯びるのではないでしょうか。私たちは「今」という時間のなかに、過去の記憶をよみがえらせ、現在の状況を認識し、未来の展望を浮かび上がらせる存在として、どこに向かうともわからない時代を意味づけて生きていきます。
120周年を迎えたこの日に、あらためてこのような視点から、つまり本校の120年の歴史とこれからの本校の展望を結び合わせる「今」という時間を皆さまと共有する機会をもつことができて大変嬉しく思います。生徒の皆さんは、先輩方の歴史を支えに自信をもって生きていきましょう。
以上をもちまして、校長の式辞といたします。
柔道部OB会 柔の道は脈々と
2023年4月23日、まだ少し寒さの残る日に2023年度柔道部OB総会が執り行われた。笠原顧問(監督)の呼びかけもあって、なんと上は80代の大先輩から、下は卒業間もない10代まで、非常に幅の広い世代が集まり大いに親睦を深めることができた。
会は笠原顧問より現役の活動報告、在校生の紹介から始まり、昨年度選抜された文武両道杯全国大会への出場や、母校柔道部の目覚ましい活動に、OB一同は思わず盛大な拍手。中学1年生の入部がまだ、そして日曜ということもあり現役は全員集合したわけではないのだが、それでもその部員数の多さに皆安堵の表情を浮かべた。
総会の議事も慎重審議の上、各議案は全会一致で承認された。OB会長の高橋茂先輩(高13回)、来賓でお越しをいただいた校友会後藤会長、顧問の山田泰之先輩(高12回)のお言葉を頂戴し、花を添えていただいた。あらためて逗子開成そして柔道部の歴史を実感することとなった。
ここに集ったOBの共通点は逗子開成の柔道場の畳で汗を流したということだけなのだが、その事実だけでこれだけの大人数が集まれることがどれだけ素晴らしいことが、校友諸氏には伝わることであろう。
審議の中では、柔道部OB会も昨今のSDGsの流れに乗り恒久的な活動を引き続き行っていくために役員人事の刷新の提案が高橋茂会長から発議された。今後益々の発展を遂げるであろう柔道部OB会を注目していただきたい。
総会終了後は、OB会の縁がある逗子駅前の居酒屋アリアにて親睦会を開催。各自思い出話に花が咲き、あっという間の3時間であった。
会の締めくくりは応援団団長OBである校友会会長後藤先輩のリードによる校歌斉唱にてお開きとなった。
※この日は総会に先立ち現役学生との合同稽古も行われた。こちらも20代から上は50代と多くの参加者があり、気持ちだけは現役に負けじと各自気持ちの良い汗を流しました。
逗子開成中学昭和43年3月卒業生の会 2023年5月開催報告
5月27日(土)、逗子・葉山駅近くの「そば席 御清水庵 あん彦」で同窓会を開催した。
9名の参加者と少人数だったが、斎藤先生を迎えて、2時間の間昔に帰り楽しい話に花が咲いた。
ここ2年はコロナ禍で開催出来なかったが、久しぶりに元気な顔を合わせ、皆ひと安心の同期会となった。
(湯浅 辰夫)
川崎横浜会会長に矢込泰敏さん (高41回)
川崎横浜会の矢込でございます。
川崎会と横浜会が統合するにあたり、両会の畑野会長、斎藤会長の後任として、川崎横浜会を引き継ぐべく推挙頂き、僭越ながら会長を仰せつかり身の引き締まる思いです。
徳間理事長が「逗子開成を日本一の学校にする」と掲げ取り組まれている中、青春時代を過ごしました。校友に恵まれた母校への感謝を持って、超高齢社会・人口減・温暖化など、この先の日本における数々の課題に立ち向かい、更には国際的な視野を持った人材が、益々必要になっていく中、斯様な「新時代」において、次世代へ繋ぐ役割として、会員の増員増強、および、多世代(世代間)との明確なビジョンを持った交流を生む事で、人材育成へと繋がるよう、微力ながら貢献できますよう、努めて参ります。
逗子開成とのご縁を持つ皆様の、ご協力をお願い致します。
創立120周年記念グッズ スウェット・Tシャツを販売
校友会では、逗子開成創立120周年記念グッズを各種企画、制作しています。
そのひとつ、120周年記念のエンブレム(左の画像)をあしらったスウェット(トレーナー)とTシャツの販売をしています。
スウェットは皆さまからお好みの生地の色を人気投票していただき、その結果、1位のアイビーグリーンと2位のバーガンディーの2色です。Tシャツは白地とブルーの生地、2種類を作りました。
校友会本部総会やホームカミングデー、開成祭ですでに販売しました。今後、同窓会や各地区会の総会などでも販売。また、ほかのグッズも含め通信販売も検討していますので、詳細が決まり次第お知らせします。どうぞお楽しみに。
創立120周年記念グッズ げんべい×生徒×校友会コラボのビーサンを販売
逗子開成創立120周年記念グッズとして、生徒有志がデザインを、発注先の「げんべい」には校友会が仲立ちして、3色のビーチサンダルができました。
管理は校友会が担当して、プール授業が始まる前の5月22日・24日・26日に校内で、まずは在校生に販売しました。
校友の皆さまへの販売は、6月3日(土)の校友会総会、10月20日(金)、21日(土)の開成祭となります。
令和5年度校友会総会を開催
第1号議案 令和4年度事業報告
総会は会員の承認を得て無事に閉会し、志村理事長、小和田校長、高取PTA会長に今後の逗子開成のビジョンなどについて挨拶をいただきました。その後吹奏楽部OB会によるアトラクションが行われ、この日のためにアレンジしてくれた逗子開成サウンドを満喫した。
総会終了後、会場を海洋教育センターに移し懇親会を開催した。
令和5年度地区会総会
川崎横浜会 6月3日(土)に開催しました。
横須賀三浦会 6月10日(土)に開催しました。
湘 南 会 7月1日(土) に開催しました。
逗子葉山会 7月1日(土) に開催しました。
鎌 倉 会 7月29日(土) に開催しました。
湘南会がバーベキューイベントを開催しました
湘南会主催イベント・BBQ(バーベキュー)を9月23日(土・祝日)に藤沢で開催しました。
毎回楽しみにしていただいているこのイベントですが、ここ数年はコロナ禍により見送らざるを得ませんでした。やっと開催できた今回、多くの校友やご家族、友人の参加によりお楽しみいただきました。
怪しい空模様でしたが、ブドウハウスの中でのバーベキューなので、雨が降っても濡れる心配なし。
果物のもぎ取りもできる施設ですが、ブドウの時期が終わり、柿はこれからだったので、残念ながらもぎ取りはできませんでしたが、楽しい時間をすごすことができました。
2021年度卒業生 成人を祝う会を開催しました
会場:アートグレイス・ポートサイドヴィラ「ニューヨーク邸」
幹事代表:齋藤 勇斗
詳細については同期連絡網で連絡を取り合い、和気藹々と開催しました。
奏楽部千葉先生 就任20周年
逗子開成吹奏楽部 2004卒~2023卒 OB各位
吹奏楽部顧問の千葉大樹先生が今年、就任20周年を迎えられました。この20年間、現役生を含め200人以上が千葉先生にご指導いただきました。 そこで、歴史ある開成サウンドを継承し発展させて下さっている千葉先生に、これまでの感謝と激励をする祝賀パーティーを下記のとおり開くことにしました。
パーティーでは、千葉先生の指揮で開成マーチや校歌を演奏する場を設ける予定です。 20年間の教え子が一堂に会する機会、千葉先生の20周年を盛大にお祝いしたいと思っています。多くの吹奏楽部OBの皆様のご参加をお待ちしています。 なお、この会は2004年卒~2023年卒の吹奏楽部OBのみ参加可能となっております。恐れ入りますが、2003年以前ならびに吹奏楽部以外のOBの方の参加はできません。あらかじめご了承下さい。
日時:2023年11月25日(土) 15:15 開場、受付開始 16:00開宴(立食パーティー形式です)
会場:ホテルメルパルクYOKOHAMA 2階宴会場「etoile & cherie 」
会費:社会人 12,000円、学生 6,000円
ドレスコード:スマートカジュアルご参加を希望される方は、実行委員会へメール(ZK.Chiba.sensei.20th.anniv@gmail.com)をお送りください。氏名、卒業年(卒業式があった3月の西暦)とパート、連絡先をご明記ください。また参加をご希望の方で、開成マーチと校歌の演奏も希望されるかたは「演奏希望」の旨もお知らせ願います。※本投稿をご覧の吹奏楽部OBの親御様がいらっしゃいましたら、ご子息へ本祝賀会の開催についてお知らせ頂けると幸いです。
千葉先生指揮者就任20周年記念祝賀会実行委員会
2023開成祭
2023開成祭が10月20日(金)、21日(土)の二日間、好天に恵まれた中で開催されました。
今年度は数年ぶりに人数制限なし、事前予約不要で多くの方の来場がありました。
校友会は海洋教育センター会場で、活動報告や取り組みをパネルで紹介。また、活躍するOB紹介の展示をしました。展示の隣りには休憩コーナーを初めて出店し、コーヒーや紅茶などを無料で提供しました。
また、120周年を記念して制作したTシャツやスウェット、校章を織り込んだネクタイなどのグッズ販売を行いました。