校友ゆう・ゆう クロスナビ


エンターテイメント(卒業期順に掲載しています)

バンドネオン奏者・平田 耕治さん(高54回)

母校中・高校を卒業後、洗足学園音楽大学・音楽音響デザインコース・作曲専攻卒業。2009年ブエノスアイレス市立オルケスタ・エスクエラ・デ・タンゴ卒業。
 
13歳でバンドネオンを始める。16歳で単身ブエノスアイレスに渡り、故カルロス・ラサリ氏宅に住込みで師事。翌年からネストル・マルコーニ氏、他にも併せて師事。その後、 日本では岡本昭氏、西塔祐三氏など日本の往年のマエストロに薫陶を受ける。

2005年、秋山和慶氏の指揮により洗足学園前田ホールにて「ピアソラ作曲:バンドネオン協奏曲」を演奏。これまでに、フランス、カナダ、ウルグアイ、韓国、シンガポール、タイ、中国などでも演奏。

アルゼンチンで結成した【CAMBAtango】は、2009年、2011年、2013年、2015年に日本ツアーを開催。2010年アルゼンチン外務省派遣グループとして動員15万人を超すポルトガルのフェスティバル「フェスタ・ド・アバンテ」に出演。2014年9月外国人としては異例の2度目のアルゼンチン外務省の後援を受けニューヨーク公演。

2015年NHKFM「リサイタルノヴァ」出演、2016年アルゼンチン・ロサリオでの音楽フェスティバルにゲスト出演。
2017年から洗足学園音楽大学ワールドミュージックコース科バンドネオン講師。
その他テレビ、ラジオ、新聞などメディアにも出演多数。国内でも著名バレエダンサー、歌手、タレントのサポートなど様々なフィールドで活動中。
HP:http://hiratakoji.com/ 

 

落語家・瀧川 鯉丸さん(飯盛 勢也さん/高54回)

2006年に逗子開成を卒業した、飯盛勢也さん(高58回)は、早稲田大学卒業後、落語家としての道を歩み始めた。2015年、落語社会で一人前と認められる「二ツ目」に昇進し、「瀧川鯉丸」という芸名を付与された。

 
その年6月3日(水)には横浜にぎわい座で「二ツ目」昇進披露公演を行い、校友も多数応援に駆け付けた。 次は「真打ち」。10年はかかるといわれるが、これからの鯉丸さんに期待したい。 
落語との出会いを語って頂いたので紹介します。

 
小学生の頃からラジオっ子でした。人様の「話を聞く」のが好きだったんです。初めて落語を聞いたのは、高校3年生の大晦日。受験勉強の合間、大掃除をしながら聞いていたラジオから。今までの、おじいさんが演る古くさいお笑いという印象とは全く違うもので、落語が終わるまで雑巾を持つその手が全く動かせませんでした。逗子開成に落語研究部があったら、もっと早く出会っていたかもしれません。
 
在学中は吹奏楽部でファゴットを吹いていました。2学年上の沖津さんという先輩と二人のパートでした。めちゃくちゃ上手い先輩で、ぜんぜん手が届かなかったです。中学から数えて4年目の高1のとき、先輩が高3でしたから、この1年はパートとしても技術的にやっと安定してきたかなという時期。ちょうど創立100周年の頃でした。ロングトーンという基礎練習、ただ一音ずつ音階を吹くだけなんですけど、すごくいい音色で吹いてる自分が気持ちよくなってしまって、このままずっと基礎練をしていたいなあと思ったことがありました。高2の時、受験勉強の関係で途中で辞めてしまったので、後から入ってきた後輩とそういった経験ができなかったのが心残りです。
 
師匠・瀧川鯉昇の落語と出会ったのは大学1年生の冬です。それまでの1年間、先輩に連れられて色々な落語家の芸を見ていましたが、どの落語家よりも言葉が新鮮で、心地よくて、ずっと聞いていたいなあと思いました。落語って、同じ演者の同じ演目を二度聞くと「またこの演目か」と思うことが多いんですが、うちの師匠の落語は同じ演目を何度も聞きたくなる。けっこう現代的なくすぐり(ギャグ)も入れるんですが、それが落語を壊さない絶妙なバランス。 師匠は「ああしなさい」「こうしなさい」という形の指導をしない人です。もちろん明らかに間違っていることは正してくれますが、「お前はこうしたほうがいい」という言い方はしません。「じぶんの感性で気づくしかない」という信条だそうです。「俺に似るな」とも言います。

この春、四年間の前座修業を終え二ツ目に昇進し、桜木町の横浜にぎわい座で二ツ目昇進披露目の落語会を催しました。校友の先輩方にも多数お運びいただきまして、心からお礼申し上げます。まだまだ「じぶんの落語」を模索する毎日。頼りねえなあと思われると思いますが、いま目の前のお客様に喜んでいただけるよう精一杯やらせていただきますので、人寄せの機会などありましたら気軽にお声掛けください。先日、落語家として生きていますという報告も兼ねて逗子開成の先生方へ挨拶に伺ったのですが、いずれの先生も、「たぶん、あの先生はこういう反応をするだろうなあ」と思った通りのリアクションをしてくれました。逗子開成の先生方はどの先生も個が強くて、人の期待に応えてくれるという意味で、先生方も「芸人」だなあと思いました。

HP:http://www.koimaru-rakugo.com/
(投稿・会報「開物成務」53号に掲載)