茨城県の私立高校で社会科教諭を務める傍らヨット部顧問を歴任、逗子開成ヨット部を外から見てきました。

J1の航跡

吉田 精之(旧姓 石井)高27回 

 自然を相手に競技するヨットは操艇・艤装の技術の向上は言うに及ばず、体力が問われるものである。他の種目にはあまりない気象条件の把握が勝負を分けることが多い。デスクワークで気象の研究さえも必須である。
 そうした中、逗子開成ヨット部は中学校でヨットを自ら作り、乗る経験を持っていることは何にも代えがたい財産である。まさしく「海洋教育の賜物」といえよう。
 日本全国の高校でこうした条件で研鑽を積んでいる高校はまず無いであろう。レース直前に気象から陸上や水上で待機を命じられることがある。そんな時いかにモチベーションを保つかも大切である。部員同士が仲良く歌ったり、縄跳びをしてリラックスするやらである。これさえも参考にして、ちなみに私の勤務していた私立高校ヨット部では逗子開成に追い付き追い越せを念頭に、毎日の練習に励んだものである。習うより慣れろが合言葉であった。
 こうした伝統が現在の逗子開成ヨット部の生徒に受け継がれ、J1セール(この艇種で最初に登録)がついこの間まで高体連主催レースの中で棚引いて先頭集団を走っていた。
 今年(2018)度全国高校総体(インターハイ)で見事に優勝の栄冠を勝ち取ってくれました。また大学ヨット界で活躍している校友もおります。こうした活動のもと素晴らしい成果をあげるにあたり、学校側のご理解や教育方針が功を奏していることは勿論、多くの方々のご協力が結実させてくれたものである。
 常に危険と背中合わせの競技であるため、救助体制を万全にして行う。
 高校ヨット競技ではこれまで二人乗りが主流で行われてきている。よって乗艇する仲間同士意見交換を密に行うことは絶対条件である。逗子開成ヨット部においては、聞くところによると部内の選考レースがある。誰と組んでどうしたレースを展開するかを考える必要がある。これは、素晴らしい経験であり、他校では考えられないことである。
 今、スポーツ界を揺るがしている指導者と選手の関係で、部員自ら考え相談していく姿勢は最高のものであろう。
 四方海に囲まれている我が国にあって、セーリング競技はもっと普及するものと考えるが、実際高校の中には活動を停止・休止してしまう例がみられる。逗子開成は単に神奈川県に留まらず、高校ヨット界をリードする学校として今後も存在感を高めていって欲しいものである。